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そのトレーニングは目的に合っていますか?
fan's-PT-烏丸三条店 トレーナーの丹下です。
雪がちらつく日が続きましたが、平均気温も徐々に上がってきて春が近づいているなと感じています。
外へ出てウォーキングをしたり、サイクリングをしたり、身体を動かしやすい季節がやってきますね!
今回は、トレーニング種目の特性に関するお話です。
あなたのトレーニングは本当に目的に見合ったものですか?
このブログを読んで今一度考えてみてください!
【Shut Up and Squat】
これは、アメリカの有名なボディビルダー、ロニーコールマンの言葉です。
痩せたい、筋肉をつけたい、パフォーマンスを上げたい、でも何から始めればいいのかわからない。
どのトレーニングが効率的なのかわからない。
そんな人はまずスクワットをしろ
そんな思いが込められています。
私がトレーニング中に愛用しているTシャツにもこの文字が刻まれています。
現代では、洋式トイレが普及し深くしゃがみ込むことも減りました。
フィットネスクラブに行けば立ち並ぶたくさんのマシン
椅子に座って関節を動かし、筋肉を鍛える。
軌道が決まっているため誰でも簡単にエクササイズが行えますが本来の日常性活とその筋肉の使われ方は大きく異なります。
【ノーチラスとマイアミの奇跡】
1960年代ごろジムに通いトレーニングをしている人はごく一部でこの時代のジムといえばダンベル、バーベルやベンチ(手作りのところも多かったとか)を使ったトレーニングが主流でした。
フリーウェイトと呼ばれるダンベル、バーベルを用いたトレーニングは軌道が安定しにくく取り組むためのハードルが高く一部の上級者のみが実践できるものでした。
1970年ごろアメリカのプロフットボールチーム、マイアミドルフィンズは最悪のチーム状況となっていました。
しかし1973年、94年にスーパーボールで連続優勝したドルフィンズはチームの飛躍の要因を
ただ一言、「ノーチラス」と答えました。
アーサージョーンズという人の開発したノーチラスと呼ばれるマシンによるトレーニングで選手のパフォーマンスが劇的に向上したといいます。
その後プロフットボールのすべてのチームがノーチラスを採用したそうです。
そして、この後アメリカを中心として急速に発展したフィットネス文化と併せて
大量のマシンを置くフィットネスクラブが広がっていきました。
しかし、現在では24時間ジムなどが立ち並び価格競争の影響からか
「ノーチラス」などのマシンと違い安価で体の構造面を深く考えていないマシンが多いのも事実です。
マシンは軌道が決まっているため椅子の高さを合わせるだけで大きく間違えたフォームにはなりません。
フィットネスクラブではフォームを指導する人的コストを削減でき、利益を拡大できるというメリットもあります。
現に多くのフィットネスクラブではアルバイトの学生などがマシンの説明をしているのが現状です。
話が少しそれましたが、
具体的にマシンを用いたエクササイズとフリーウェイトでのトレーニングの違いのお話をします。
【キネティックチェーン(運動連鎖)】
昨今の情報社会の中たくさんのエクササイズが様々なメディアで紹介され、自身の状態にあったエクササイズを選択しやすくなりました。
お尻の筋肉を鍛えるためマシンやチューブなどで行う多種多様なエクササイズが紹介されています。
例えば、ヒップアブダクターと呼ばれるこちらのマシンを使ったエクササイズや
横向けに寝た状態でチューブを用いて行うこちらのエクササイズなどは有名どころでしょう。
一方でスクワットや片足で行うブルガリアンスクワットなどの種目はそのキツさ、フォームの難しさも相まって実施する人は減ったように思います。
しかし前述したマシンやチューブを用いたエクササイズをおこなっても股関節の機能向上やヒップアップにつながらないケースが多いのが事実です。
その理由の一つが、運動連鎖(キネティックチェーン)によるものでしょう
【キネティックチェーンとは】
運動時の筋肉の連動性を分類したもので
・オープンキネティックチェーン
・クローズドキネティックチェーン
に大別されます。
体幹が固定されている種目(主にマシンやダンベルでの運動に多い)をオープンキネティックチェーンと呼び
四肢(手や足)が固定されている運動(腕立て伏せ、スクワット、懸垂など)をクローズドキネティックチェーンと呼びます。
クローズドキネティックチェーン
の種目は日常の運動動作に近く、身体の安定性を高めるインナーユニットが働きやすいとされています。
中でもスクワットは多くの感覚受容体のある足裏(足底)への刺激強く運動能力の向上に最適といえます。
さらに片足で行うブルガリアンスクワットなどの種目は股関節の安定性、バランスの向上などに高い効果があり、
むしろ初心者や高齢の方ほど行いたい種目になります。
【ヒトがもっとも発達している筋肉は?】
陸上生物の中でヒトがもっとも大きい筋肉はどこでしょうか、、、
地球上にいる生物の中で唯一、直立二足歩行ができるヒト
その所以が大殿筋の発達です。この強固な殿筋の機能があってこそヒトの歩行、走行は成り立ちます。
さらに大殿筋の付近には中殿筋(股関節外旋)、小殿筋(股関節内旋)などの筋肉が隣接し体重の移動、重心のコントロールを支えています。
高齢の方などで猫背でしか歩けない、左右に大きく揺れながら歩く(トレンデレンブルグ歩行)
殿筋群の弱化はこれらの引きがねともなります。
しかし、忙しい現代の中で機能性を失った体でスクワットなどのエクササイズを
正しく行うことは簡単なことではありません。
多くのメディアで紹介されているエクササイズは一定の運動能力のある方にはいいかもしれませんが、
基本的な関節の可動性、体幹の安定性のない方には難しいものも多いです。
当店では、基本的に前述した、クローズドキネティックチェーンにあたる種目から
実施していくことが多いです。
マシンの立ち並ぶフィットネスクラブに通われていた経験のある方などは最初は難しいと感じる方もおられますが、
お一人お一人のレベルに合わせて、少しずつステップアップしていきます。
筋力向上、姿勢の改善、体幹の安定性向上など
多くのメリットのあるクローズドキネティックチェーン種目
当店インスタグラムでも紹介していますのでぜひご覧ください。
https://www.instagram.com/fanspt_kyoto/