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脚の長さの違いと最適なスクワットフォームを考える
こんにちはfan's-PTトレーナーの丹下です。
本日は少しマニアックなお話しを。。
「スクワット」についてのお話です。
どこでも取り組むことができ自重のエクササイズの中でも高強度なので自宅でトレーニングをされている方は避けては通れないエクササイズではないでしょうか。おそらく世界でもっともポピュラーで実施されている筋トレ種目だと思います。
スタジオレッスンなどでの有酸素エクササイズの一環として行われたり、脚の筋トレ種目として実施されていたり、パワーリフティングなどの競技として取り組まれていたりそのやり方は三者三葉でYouTubeやネット記事などでは様々なフォームのポイントが解説されています。
しかしそれらはその人個人のメソッドであり実際には骨格や過去の運動歴、個人個人の得意な運動の動作パターンなどによって変えるべきだと私は思います。
そこで今回は「骨格の違いとスクワットのフォーム」に焦点を当てて考察していきます。
1.適切なスクワットの重心
まず今回の考察ではわかりやすくスクワットはバーベルを担いでいることを前提とします。バーベルを担いでない方や、手にダンベルを持って行っている方も同様に考えていただいて問題ないです。あくまでもわかりやすくするためです。
こちらの画像はスクワットの関節角度の図です。
背中の〇がバーベルで、バーベルは足の中央(土踏まず)の真上を通っています。
このバーベルと足の中央を結ぶ点線がスクワットの重心線だと考えてください。
2.脚の長さによる違い
1.を踏まえたうえでに脚の長さがスクワットのフォームにどう影響するのかを見ていきます。
図に大腿骨の長さが違う二人のモデルを用意しました。
具体的には
・二人の身長は同じ
・胴長、短足のAさん
・胴短、長足のBさん
つまり、同じ身長で大腿骨の長さの比率が違う二人を比べてみます。
これから二人にはスクワットをしてもらいますが、スクワットをする上での条件は二つ
・バーベルは僧帽筋上部に担ぐ(ハイバー)
・大腿骨が床と平行になるまでしゃがむ
上記2つの条件を同じにして二人にしゃがんでもらいます。
このようになりました。
できるだけ同じ比率になるよう線の長さは調節してあります。
上の図から注目すべきポイントは3点
・Aさんに比べてBさんはしゃがむ距離が長くなる
・Bさんはしゃがみこんだ時の関節角度が深くなる
・Bさんは各関節へのモーメントアームが長くなる※後述します。
まず、Bさんはより深くしゃがむこととなりバーベルの移動距離が長くなってしまいます。このことからAさんに比べより多くの挙上エネルギーを要求されるため不利といえます。
これを解消するためにはバーベルを担ぐ位置を低くする(いわゆるローバースクワット)などの対策が有効かと思います。
次に関節角度ですが上の図で分かるように股関節、膝関節、足関節(足首)の屈曲角度がBさんはより大きくなります。このことから、主に股関節、足関節のより高い柔軟性が求められます。長期的に見て腰や股関節のけがを予防するためにストレッチなどで柔軟性を確保する必要があると考えられます。
3.モーメントアームとは
最後にモーメントアームについてですが、モーメントアームとは持っているおもりの重心位置と動いている関節の回転軸との距離のことです。
下の画像を見てください。
ここから手に持っているバーベルを徐々に倒していきます。
バーベルが倒れるにつれて重心との距離が離れ重さが増していきます。
ここで先程の図を見てみます
スクワットにおいては重心は足の中央にあるためAさんよりも大腿骨の長いBさんの方が重心線(赤の点線)から股関節、膝関節までのモーメントアームが長くなり同じおもりを持っているとしても各関節への負担は高くなることが予想されます。
まとめるとBさんタイプの方は長期的に見てより大きな関節ストレスを抱えている可能性が高く移動距離も長いためより長い運動距離、時間安定した動作を求められます。
Aさん、Bさんはスクワット時に必要な体幹の前傾角度も異なるため同じフォームでのエクササイズ実施は困難といえます。
いかがだったでしょうか。
パーソナルトレーニングでは個々の身体的特徴、特異な動作パターンから最適なフォームの獲得を目指せます。
一人一人の潜在的な危険因子を予測して怪我や関節疾患のリスクを最小限に抑えたトレーニングを提案していきます。
我流のトレーニングを脱して最適な結果を出したい方はぜひ一度パーソナルトレーニングを受けてみてください!
モチベーションが上がらない時に
こんにちは!
fan’s-PT-トレーナーの太田です。
突然ですがみなさんは何かに取り組む際、モチベーションを高く維持できていますか?
「今日は仕事に行きたくないな」「今日は疲れたからトレーニングは明日にしよう」など思う日があると思います。もちろん理由として体調が優れないことが影響している可能性もありますが、多くの方はモチベーションを保てていないのではないかと思います。
そこで本日は、物事にやる気が出なくなってきたときに知っておいてほしい「マズローの欲求5段階説」についてお話します。
l マズローの欲求5段階説とは
アメリカの心理学者アブラハム・マズローが、人間は自己成長を求める動物であるという考えをもとに、人間の欲求を「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」の5つの階層に分類しました。その階層はピラミッド状になっており、低い階層の欲求が満たされると次の段階の欲求を求めるようになります。
それぞれの欲求がどのようなものなのかを1段階ずつお話していきます。
1. 生理的欲求
生理的欲求とは、5段階のうち最下層である第一段階の欲求を指します。
この階層は、食事や睡眠、排せつなどの人間が生きていくために必要な本能的な欲求を示した階層になります。
一般的な動物の場合、生理的欲求が満たされれば満足できる種族がほとんどです。しかし、人間の場合は生理的欲求段階に留まっている状態が続くことは一般的ではなく、次の段階の欲求を満たしたいと考えます。人間が次の欲求階層に進むためには、5段階欲求の最下層にある生理的欲求を満たすことが必要です。
2. 安全の欲求
安全の欲求とは、身の危険を感じるような状況から離れたいという欲求を指します。
どういうことかと言うと、心身ともに健康かつ経済的にも安定した環境で安心して暮らしたいということです。多くの方は意識することなく満たしている欲求かと思います。
しかし、乳幼児の場合はこの安全の欲求がよく見られます。「暗い場所がこわい」「保護者がいないと不安になる」といった行動は乳幼児に見られる普通の様子ですよね。この欲求は成長するにつれて徐々に次の段階へ進みます。
3. 社会的欲求
社会的欲求とは、友人や家庭、会社から受け入れられたいという欲求を指します。
集団への帰属や愛情を求める欲求であり、「帰属の欲求」と表現されることもあります。この欲求が満たされない状態が続くと孤独感や社会的不安を感じやすくなり、時には鬱状態に陥るケースもあります。
4. 承認欲求
承認欲求とは、他者から尊敬されたい、認められたいという欲求を指します。
地位や名声を求める「出世欲」もこの欲求の1つに当てはまり、外的部分を満たしたい第3段階(社会的欲求)までとは異なり、内的な心を満たしたい欲求へと変わります。
この承認欲求が妨害されると、劣等感や無力感などの感情が生じます。
5. 自己実現の欲求
自己実現の欲求とは、自分の世界観・人生観に基づいて、「あるべき自分」になりたいと願う欲求を指します。
潜在的な自分の可能性の探求、自己啓発行動、創造性の発揮などを含み、自己実現の欲求に突き動かされている状態です。
次の欲求に移行するために現時点の欲求が100%満たされている必要はないです。
生理的欲求の85%、安全の欲求の70%、社会的欲求の50%、承認欲求の40%、自己実現の欲求の10%を満たしていれば次の欲求に移行できると言われています。
仕事やトレーニング、その他の物事でもモチベーションを上手く保てていない時期は食事や睡眠などの生理的欲求から見直してみてはいかがでしょうか。
姿勢のためのエクササイズ紹介「ふくらはぎ」
fan's-PTトレーナーの丹下です。
今回はブログでは珍しくエクササイズの紹介をしたいと思います。今回紹介するのは「カーフレイズ」と呼ばれるふくらはぎの「腓腹筋」を鍛えるエクササイズです。
1.ふくらはぎの筋肉
こちらが「腓腹筋」
腓腹筋はかかとの骨「踵骨」から大腿骨まで伸びています。足首と膝の二つの関節をまたぐことから二関節筋と呼ばれ、足を床に向かって倒す、膝を曲げるといった動作に使われます。膝を曲げる際には大腿の後ろにある「ハムストリング」が強く働くのでメインの働きは足首を倒す動きになります。
腓腹筋の腱は太く長く「アキレス腱」といわれています。こちらは有名どころですね。
また腓腹筋の内側にはヒラメ筋があり、つま先立ちをした際に脛の外側部分に筋が見えますがそれがヒラメ筋です。
2.カーフレイズのやり方
まず、低めの段差(階段や玄関口、固めの箱など)と手すり(壁でもよい)を用意します。母趾球(親指の付け根)を乗せかかとは空中にあります。
こちらはアップの写真
この状態からかかとを地面すれすれまで下していき、つま先立ちのポジションまで上げます。
下げるときに母趾球が浮いてしまわないように母趾球に体重をかけたまま動作しましょう。
3.よくあるNGパターン
こちらは反り腰の人などによく見られるパターンです。
骨盤が前傾して腰が沿ってしまっています。ポイントは骨盤を少し後傾させる(腹筋運動のように少しお腹を縮める意識)、頭が母趾球の真上にあるイメージを持つことです。
4.まとめ
「カーフレイズ」はふくらはぎを鍛えることももちろんですが、身体の重心バランスを修正するとても良いエクササイズです。
骨盤を後傾させてつま先立ちができると膝を過剰に伸ばすことなく姿勢が保てるようになり、前もものはりを解消する効果が期待できます。
また、膝を伸ばして姿勢を保っている人の多くは骨盤が前傾しているだけではなく頭を前に移動することでバランスをとっている人が多いです。間接的にではありますがストレートネックの予防にも一定の効果を期待できるとも考えています。
ぜひ一度実践してみてください。。
HIIT(ヒート)トレーニング
みなさんこんにちは!
fan’s-PT-トレーナーの太田です。
本日は短時間でトレーニング効果を得たい方必見「HIIT(ヒート)トレーニング」のご紹介をします。
1.HIITトレーニングとは
High Intensity Interval Training(高強度インターバルトレーニング)を指し、強度の高い運動と短い休息を繰り返し実施するトレーニング方法です。
短時間でできるトレーニングですが、様々な高い効果が期待できます。
2.期待できる効果
① 体力向上
短時間で強度の高いトレーニングを行うため、無酸素状態になったのちに酸素を大量に取り込むため肺機能の活性化が期待できます。
また、血液中の酸素を全身に行き渡らせようと心臓の働きも活発になるため、心肺機能が鍛えられることにより体力の向上に繋がります。
② 脂肪燃焼
短時間で全力を出す筋トレを繰り返すHIITでは、筋肉中の糖の消費率が非常に高くなります。その結果、体は脂肪が燃えやすい状態に。
さらに、HIITによって心肺機能が向上すれば、基礎代謝の向上も期待できます。カロリー消費や内臓脂肪の燃焼もしやすくなります。
③ アフターバーン効果
運動後もカロリー消費が持続するアフターバーン効果。
HIITトレーニング後に起こる身体の変化をまとめてみました。
・HIITトレーニングのような高強度の運動をした後
⇩
・一時的に軽い酸欠状態になる
⇩
・不足している酸素を過剰に摂取する状態になる
⇩
・酸素の消費も活発になる
⇩
・代謝が上がり、体温も上昇する
上記がHIITトレーニング後の流れです。激しい運動をすると息が上がって身体が熱くなるという体感は多くの方が経験したことがあると思います。
この呼吸による酸素の大量摂取から新陳代謝が促される現象を「EPOC(運動後過剰酸素消費量)」と呼びます。
そして「EPOC」の持続時間は、24時間ほど続くとも言われています。つまり筋トレを行うだけで、筋トレ終了後も継続的にカロリー消費をしていることになります。
この「アフターバーン効果」を上手に活用すれば、代謝が良い状態を持続させることができるというわけです。
3.fan’s-PT-で実施しているHIITトレーニングメニュー例
① もも上げ
⇩
② スクワット
⇩
③ なわとび
⇩
④ 腕立て伏せ
⇩
⑤ フォワードランジ
種目は個人によって適宜変更しながら行っています。
5種目×2周で1セット。これを2セット消化して終了です。
1種目20秒、種目間の休憩も20秒です。
実際に行うとかなりハードな運動になりますが、ご自身のペースで無理をせず週2回を目標に取り組んでみましょう。
1人ではなかなか続かないとお悩みの方はぜひ一度当店の体験トレーニングにお越しください!
夜の炭水化物は太るのか?
こんにちは
fan's-PT トレーナーの丹下です。
9月に入りましたがまだまだ暑い日が続きそうですね。
ちなみにですが、エアコンなどで皮膚の表面温度が下がると血流が低下し、身体の回復力が落ちたり代謝が低下したりなどするので、日中室内でお仕事をされる方はできるだけ長袖を着る、上着を羽織るなどして皮膚の温度を下げないようにした方がいいですよ!
さて、今回はダイエットに関するお話です。
「糖質制限」
聞いたことがない人はいないというほどダイエットの定番となってしまった方法ですが、特に夜の炭水化物摂取については否定的な意見が多く実際にパーソナルに来られるお客様の中でも夜はお米を抜いています。。などそれが正しいことを前提として話される方がほとんどという印象です。
私はいつも一日の摂取カロリーのトータルで考えてください。夜に炭水化物を摂取してもトータルでマイナスになっていれば太ることはありません。
と伝えていますがテレビや雑誌などメディアの影響が大きいためかなかなか実践する方は少ない印象です。朝に体重を測る方が多いので心理的に食べて寝ると朝の体重が重くなっているのではないかと感じてしまうためかもしれませんね。
今回は夜の炭水化物摂取は本当にダイエットに負の影響をもたらすのか、、、について考えていきましょう。
1.痩せるために必要なこと
まず「痩せる」の定義からにはなりますが、体重が減る=痩せた ではありません。
「痩せる」とは除脂肪、脂肪が減るということです。体重とは私たちのカラダの「質量」であり。脂肪、筋肉、骨、その他の組織、血液などすべての組織の合計質量になります。例えば、バレーボールと同じ重さの鉄球を用意するとしてください。鉄球の大きさの方が小さくなるのは想像できるかと思います。しかし二つの重さつまり体重は同じです。これはバレーボールの方が「太っている」といえますよね。この場合は鉄球は筋肉質な人(筋肉の方が脂肪よりも密度が高い)、バレーボールは筋肉量の少ない人といえます。
このあたりについては、また別の記事を書こうかな、と思っています。
本題に入りますが、痩せるために必要なことは一つだけです。
それは摂取カロリー<消費カロリー
の状態を作る。
これだけです。。
そんなのみんなわかっていますよね。。
ただこの時に何を削るのか、、という選択をしていかなければいけないんです。
2.なぜ糖質を減らすことを進められるのか
まず、我々の口にするものにはすべてカロリーがあります。カロリーとは分子の持つエネルギー量のことで、その食品がどのくらいのエネルギーを持っているのかというのを数値化したものです。水や空気にすらカロリーはありますが、食品のカロリーは主に三大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)によるものです。
タンパク質は1gあたり4㎉
脂質は1gあたり9㎉
炭水化物(糖質)は1gあたり4㎉
のエネルギーを持っています。並べてみると脂質が1gあたり倍以上のエネルギーを持っていることがわかります。
では、脂質を減らせばいいのではないかと思いますよね、、しかし、脂質には体内のホルモンバランスを正常に保つ役割があり、脂質を極端に制限することは肌荒れや無月経などを引き起こしやすく少なくとも1日に30g程度は摂取した方が良いと言われています。
タンパク質には筋肉の合成、内臓、皮膚などすべての体組織の原料となるため体重×1.5~1.8倍程度は摂取する必要があります。
炭水化物は糖質と食物繊維を合わせた名称であり食物繊維の持つカロリーは微量でありエネルギー源として以外の役割が強いため以下「糖質」と記載します。
糖質は身体活動の主なエネルギー源であり普段の生活で行うあらゆる活動は糖質を分解することで行われます。しかし身体活動量の少ない人や、睡眠中などはエネルギー消費が少ないため糖質を多く摂取すると余って脂肪として蓄えられてしまうのではないか。。
このような考え方から糖質制限というものが広まった背景にあります。
3.余った糖質はどこへ行くのか
次に余った糖質の行方についてですが、すぐに体脂肪に変わるとのイメージを持たれている方が多いですが、体内に入りエネルギーにならなかった(使わなかった)糖質は主に肝臓や筋などに「グリコーゲン」となって蓄えられます。グリコーゲンは空腹時など血糖値が低い状態の際分解されエネルギー源となります。
つまり、余った糖質はすぐに体脂肪になるのではなく、空腹状態のとき再び使えるように一旦保管されているわけですね。
もちろんグリコーゲンも満タン!という状態だと体脂肪に変わりやすくはなりますが、すぐに体脂肪に変わるわけではないということを覚えておいてください。
4.夜の炭水化物は減らすべきなのか
さて、本題に入りますが2の項で説明した通り寝ている間はエネルギーを使わないので夜に炭水化物を摂ると太りやすいのではないかというお話ですが、結論から言うと答えは「NO]です。
まず、睡眠中も日中よりは少ないですがカロリーは消費されています。
さらに夜の糖質制限は「夜間低血糖」を引き起こします。
「夜間低血糖」は眠りが浅くなる、目覚ましよりも早く起きてしまう、日中に甘いものが欲しくなる、などの原因となります。
そもそも、晩御飯に食べたものが翌朝に体脂肪に変わっている、、なんてことはあり得ません。人間の代謝はそんなに早いサイクルではありません。
食事を摂るとお腹は出るし体重を測ると増えている。。
そんなことは当たり前ですが。。
太るとは体脂肪が増えることでありお腹が出ることでも体重が増えることでもありません。
外食をした、ケーキを食べてしまったそれは1週間でみたカロリー収支のほんの少しの太る要素でしかないはずです。
極端に減らしたりせずバランスの良い食事をきっちり毎食摂ることが一番の近道です。